みなさんこんにちは。KEYチームの武永です。
今回は、先日行われた 「XP祭り2015 “俺も!!”」 に参加してきましたのでそのレポートになります。
XP祭りとは
日本XPユーザグループ(XPJUG)が主催しているイベントです。
2002年より毎年秋に開催されています。
私は今回が初めての参加です。
今回参加したセッション一覧
私が参加したセッションは以下になります。 オープニングは間に合わず基調講演からの参加になりましたが。。。
- A-3 XP lives, XP dies, XP lives again!! (角征典さん) – 10:30~11:30
- E-4 “共感”でつながるアジャイルチーム (共感コミュニケーション勉強会(愛媛)) – 13:00〜14:30
- E-6 TDDライブコーディング (きょんさん) – 15:00〜16:30
- A-8 LT祭り – 17:15~18:30
- A-9 クロージング – 18:30~19:15
基調講演「XP lives, XP dies, XP lives again!!」
角征典さんによる基調講演のスライドは以下になります。
基本的に全てスライドに書いてあるので御覧ください。
個人的に印象に残っているのは「ときめき」というワードです。
- TDD -ときめき駆動開発-とは
こんまり流片付け術 では「捨てるモノ」ではなく「残すモノ」を選ぶが、 残すかどうか迷った時に「それはときめくか?」と先生は聞くらしい。
ときめきは個人的なもので教えるものではない、最強のツール。
エクストリームプログラミング の23章「時を超えたプログラミングの道」は、
ときめきの道であり、 XPをやるときもみんなが「ときめく」必要がある。
「ときめくプラクティス」を選ぶべきである。
XPは「価値」と言ってるけど、それは届けた後にしか分からないよね?
だから「無駄」とか「価値」じゃなくて、「ときめき」が重要。
これが「ときめき駆動開発」。TDDだよね!
プラクティスを選定するときに「ときめく」ことが重要というのは個人的にもスゴく共感出来ました。
実際にプラクティスを選定する場面に立ち会わせたことはありませんが、
何かしらの課題を抱えていて、それを解決してくれるかもしれないものに出会った時に「ときめく!」のだろうなとはなんとなく感じることができるので。
このあと1日中「ときめき」というワードがどこかから聞こえてくることや、 セッションの資料に出てくることもあったのでみなさん同じ気持だったのかなとか想像してました。
結構笑えるネタが盛り込まれていたらしいのですが、
私には分からないネタが多くて反応できなかったことが結構ありました(汗)
“共感”でつながるアジャイルチーム
こちらは「共感コミュニケーション」というものをワークショップで体験してみるセッションでした。
スライドは以下になります。
- 共感コミュニケーションとは
マーシャル・ローゼンバーグ博士によって提案された、相互理解を深め、
自分や相手とより繋がるためのコミュニケーション「プロセス」で、4段階のプロセスからなるそうです。
エクストリームプログラミング の参考文献の1つである「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」 に掲載されているそうです。
4つのプロセス
- 観察
録画再生のように明らかな事実 - 感情
自分/相手が感じていること
エンジニアは感情を出しづらい/感情を抑える傾向にある職業だと本に書かれているらしいです - ニーズ
何を必要としているか
感情の裏には自分が必要としているものがあるはず - リクエスト
具体的な要求
叶わなくてもいいから口にだしてみる
このワークショップでは、「感情」と「ニーズ」の部分について 「感情」と「ニーズ」を結びつける練習を行いました。
最初に「自分の感情」を感じるということをしました。
例えば
- ときめくプラクティスを聞いた時は「面白かった」。なぜなら「ひらめきが欲しい」、「刺激が欲しい」というニーズが「満たされた」からだ。
- 基調講演を聞いて「ショックを受けた」。なぜなら一部理解できない話があり、「情報や知識がほしい」というニーズが「満たされなかった」からだ。
というように、どのような感情を持っているのか、その感情の元となるニーズを探ることで、
自分・相手が欲しているものは何かということを探っていくことをしました。
「自分の感情」を実際に他の人に上の例文のような形で話してみると 「本当にこの感情とニーズは合致しているな」と改めて納得した部分もありました。
しかし、「この感情はこのニーズと合致しているのか?」と自分に疑問を持って相手と本当のニーズを探してみると新たな発見もありました。
自分のことなのに実際に口に出してみると相手にも伝わるし、自分も新たな発見ができるという非常に面白い体験でした。
次にペアの人の話を聞いて、その裏にある「感情とニーズを探る」ということを行いました。
何かの感情にまつわる1つの出来事を相手に話して、相手はその裏にある「感情」を当てたあと、2人でニーズを探していくという練習でした。
これが非常に難しくもあり、面白い時間でした。
相手の話の裏に隠れている感情を探るのは難しく、そこからニーズを探るのはさらに難しかったですが、
探ろうとして深堀りして聞いていくうちに新しい情報が出てきてもっと相手のことが知れたり、
自分のことを知ってもらえるようになるのだなと感じた時間でした。
TDDライブコーディング
こちらは「ときめき駆動開発」ではなく本当に「テスト駆動開発」の方のTDDライブコーディングです。
まずはTDDについて説明と登壇者のきょんさんが大事にしていることの説明がありました。
TDDの3原則 by Uncle Bob
- 失敗するテストが出来るまでプロダクトを書いてはいけない
最初Greenにした時に、一気に追加実装してしまうのはTDDあるあるだがやってはいけない - 失敗するテストがある場合にはそれ以上テストを追加してはいけない
- テストを成功させるプロダクトがある場合にはそれ以上プロダクトを追加してはいけない
要求や設計の反映
テストが失敗した時に判断できるようにする
- バグを埋め込んでしまったからか。
- 意図された振る舞いは変わらず関連性があった部分が何処か別の場所に移されていたのか。
- 振る舞いがもはや正しくない。システムの前提が変わってしまっているのか。
分析と設計
- 分析には主にミカドメソッドを使う
- 設計には主にTDD/BDDを使う
そして実際にライブコーディング。
https://gist.github.com/kyonmm/6102436 にあるTODOリストをTDDでコーディングするのを見ていくセッションでした。
もっと時間があればワークショップにしても良かったらしいですが、90分枠でライブコーディングになったらしいです。
ライブコーディングの様子
そして出来上がったコードがコチラ
最初Greenにした時に一気に追加実装してしまうのは割りとやりがちなので気を引き締めたいところです。
きょんさんは非機能系(パフォーマンスとか)のテストも最初から入れるとのことで、
特に性能テストとかは最初から書いておくらしいです。
実際にどういうテストを書くのかあまり想像できていないので個人的に聞いてみたいです。
LT祭り
そしてLT祭り。
毎年レベル高いと聞いていたのですが、噂通りでした。
それぞれ公開されているスライドを以下に紹介しておきます。
クロージング
最後の最後に協賛の出版各社様からの献本が参加者にプレゼントされました。
私はプレゼントを貰える条件の1つ
XP祭りに初参加で、入社5年目以内
という条件に当てはまったのでこちらを頂きました。ありがとうございました。
最後に
非常に良い刺激を受け続けた1日でした。
一度読みましたが、もう一度エクストリームプログラミングを呼んでみようと思いました。
そして今回聞いたものですぐに使えそうなのものはどんどん実践していきたいです。
例えば共感コミュニケーションなどは非常に練習が必要だと思うので常に意識しながら会話していきたいですね。
今回参加できなかった他のセッションも興味深いものが多いので、スライドをあとで見ようと思います。
来年もきっと参加します!!