コロナ禍でしばらく開催されていませんでしたが、2023年の縮小版開催を経てVimConf 2024が先月に開催されました。 2019年にBramさんが基調講演をした時のレポート記事で想いを綴りましたが、このたび2017年から継続して4回連続(昨年の縮小版では公式でのスポンサー募集はなかった)でスポンサー活動を行うことができましたので、カンファレンスを終えた感想をお伝えしたいと思います。
当時、私はこの様に述べました。
誤解を恐れず大げさに言うと、「一企業がこうやって貢献できたということに、無限の可能性が秘められているんだ」ということを伝えたいです。 実際に活動してみると、テーマとビジョンを持って「最高のものにしたい」と心の底から思い、本気で取り組んでいるVimConfコアスタッフの皆さんの考え・意思決定・アクションは凄くて、そこから刺激を受けながら、自分もスタッフの一員としていい経験ができました。
こういったスポンサーや個人活動は、弊社くらいの小規模の会社で働いている人にとってもすごくお勧めできるアクションだと言える実感を持ちました。なぜなら、一個人や企業ができることは多くはないかもしれないけど、一人が何かを成し遂げたいと思う原動力(私の場合は「今と未来を繋げるこのカンファレンス」に最大の貢献をしたいという気持ち)は凄まじいと感じたからです。そうした皆の気持ちを、スポンサーとして応援することができれば、世の中にとって掛け替えのないことが実現できると信じています。社内でもこういう事例があと数個でたら、すごいこと(いい意味で)になりそうだと想像してしまうほどでした。
一企業としては、カンファレンスのスポンサーになることはお金の捻出ができるかという事はさることながら、企業として意義を見出して活動に繋げていくことが大事だなと考えています。
「三代続けば末代続く」ということわざではありませんが、1回だけがんばって活動しても、社内の理解がなければ続けていくことは難しくなるし、2回試して「なんか違うなぁ」と思えば、継続することに意義を見出せなくなるかもしれません。 それを4回続けることができたのは、企業のレガシー(legacy)という言い回しで表現される「伝承」や「伝統」というのは大げさかもしれませんが、草の根としてしっかり張ることができたのかなと思います。
特に、Bramさんが亡くなったことを受けて、今年はChristianさんが「The new Vim project - What has changed after Bram」というタイトルで引き継ぎと変化をテーマにして、持続継続性についても触れた基調講演でしたので、コードのメンテナンスや機能の追加以外の幅広いことに視点を向けることができて、聞いていてとても刺激を受けました。
Bramさんが30年以上かけて培ってきたレガシーを引き継ぐための基調講演で、彼が人生をかけて行ってきたウガンダへの支援のことも含めて引き継いでこれからも続けていくことを表明しており、Vimらしさ(ポリシー)がわかりました。
どのLinuxディストリビューションにも入っていることが当たり前になっているVimが、人の手によって支えられていることを改めて実感でき、これからもVimを使っていけるんだという未来の姿を想像できました。
そして、もう一つの基調講演である TJ DeVriesさんの「(Neo)Vim Made Me a Better Software Developer」という基調講演も素晴らしく、'Personalized Development Environment'
という表現でNeovimを通し如何にして自分が成長できたのかという、どんなエンジニアにも響くような発表でした。一緒に参加していた弊社メンバーも心に響いたという話をしており、午後の部ではいろんな方の発表を聞き、懇親会で社外の方との会話も経て、翌週からはさっそく新たにNeovim環境へ変更し、自分らしい環境を模索している様子が見られました。
観たい聞きたいと駆けつける参加者がいて、遠方から招待に応じて来日し発表してくださる方、いろんな層や境遇の中で経験したことをCFPに書き上げて申し込み発表してくださる方、そしてこういう場を開催してくださるVimConf準備会のスタッフの方々あっての開催です。ありがとうございました。
弊社を含めた企業以外にも、参加した方々の体験からスポンサー企業が増えて、「来年も参加したい!」という声が実現できるような、持続可能なカンファレンスになってもらえるといいなと思っています。
小さな企業の貢献であっても、主催で尽力してくださっているスタッフには一つひとつが大きな支えになっていて、「これで招待発表者の旅費にあてることができます」とお金の活用についてのリアルな声と感謝の言葉を頂きました。会場にいた中から、まだ見ぬ新しい発表者がでてくるなど、コミュニティと共に未来を作っていけるといいですね!
今年配布したノベルティ
「とばっとうぇあ」という鮭とばを以前に配布させていただきましたが、今年は「ビルド中にほっと一息」できるような紅茶を配布しました。 同封のQRコードにアクセスしてお茶のお供に読み物もぜひお楽しみください。