DockerやHashicorp関連のエバンジェリストとしてもよく知られている、前佛さんを招いて社内勉強会を開催しました。
開催するきっかけは、弊社ではかねてから得意としている Java x アジャイル
の技術をベースに クラウドの推進
に取り組んでおり、各々立場で自分の言葉でクラウドに対するアプローチや考えを顧客やユーザと対話をしていけるようにいきたいと考えがあり、平たく表現すると、あたりまえのレベルを底上げを狙いとしたいというところでした。
そういった背景もあり、以前から関心を持っていた、エンバンジェリスト活動から運用まで携わっている前佛さんの生の声をぜひ聞かせてもらいたいと思い、登壇をオファーし実現しました。
お忙しい中、弊社に出向いていただきお話いただきありがとうございました。
勉強会のテーマと内容
「最近の私が考えていること "自動化・Docker・Hashicorp" 」というテーマで発表形式でしていただきました。
特定のプロダクト(DockerやTerraform)やプロセス(Infrastructure as codeやDevOps)の解説というよりも、なぜ自動化が求められているのか、私たちが近い未来に迎える状況に備えるにはどういう考えで、準備や適応をしていくべきなのかということを、考察を交えて話してくださいました。
市場の基盤としてクラウドインフラ採用が進んでいくのとは別のベクトルとして、製品・サービスを支える仕組みづくりに「今は壁がある」、それ解決していくための一つの方法として「自動化」や「コンテナが支えるインフラ技術」が存在しており、手法より課題やありたい姿が先にある
というような話を聞き、視点に共感しました。
コンテナの話の流れから「ここまでDockerの話をあまりしなかったのですが、興味ありますか?」と前佛さんが言うと、会場から「聞きたい!」とリクエストがあると「では補足しますね」と、別スライドを使って参加者の多くがエンジニアだったことを察して、スライドの要点をつまみながら、ボリューム満載でしっかりと話してくださいました!!
DockerとDocker Hubの操作と概念
https://www.slideshare.net/zembutsu/docker-container-image-command-introduction-2017-03
こちらのスライドを使って説明いただきました。
マイクロサービスとコンテナ
Scala先駆者インタビューという企画でもよく話題にあげさせていただいたテーマです。これについても発表の中で言及されており
必ずしも「マイクロサービスにしたらコンテナにする」という必要性はなく、「状況に応じて」と採用を検討しましょう
と言っていました。マイクロサービスのいい所とプロジェクトやチームという特性の絶妙なバランスがあるなぁと、私が最近考えているところとシンクロしました。
また、
運用チームがついてこれなくて自分たちで運用することになりがち。 Dockerのバージョンアップが早いので互換性の注意が必要です。
と話されていたように、運用チームを意識した設計はアーキテクチャを決める重要な要素のプライオリティがますますあがってきているのではないかと感じています。SIプロジェクトでも運用チームを立ち上げなどのチームビルディングが重要で、同じコンテキストの思考に持って行くまでには、社内勉強会や教育といった分野だけでなく、採用・ブランディングまで小さな積み上げが影響しているんだなぁと・・・
メッセージ
前佛さんは「docs.docker.jp」などをはじめ、様々ところで翻訳活動もされています。
その活動のモチベーションとして「小さい頃にBasicがわからなくて周りに聞ける人がいなかった」という情報格差を感じたことがあって、その障壁がなければ違った状況だったと思うし、日本における知る機会・聞ける障壁を少しでも改善できれば。
というようなことを言っており、最後に、このようなメッセージをいただきました。
実際に試していますか?聞くだけじゃなくていろいろ試してみましょう。 ただ、手法にこだわりすぎると陥りやすいので気をつけよう。 自動化・コンテナは手法であって手法が最重要とは考えておらず、武器にしていかないと厳しいと思っているからやっているのです、なぜなら世界から置いてけぼりにならないように。
とてもいいメッセージですね。
最後に
私も技術が好きなので、新しいプジェクトには新しい要素を一つは入れようと心がけています。 が、それが時として自分のエゴや興味だけとならないようにということを心に刻みました!
すごくいい感じの勉強会となったので、こういう機会がまた持てればいいなと思います。 次回は一つなにかの技術をテーマにしてやりたいです!